NULL・空文字・0

NULL

NULLは、変数の値に何も定義されていない状態を表す特殊な値です。
nullが格納された変数に対しメソッド呼び出しを行うと、NullPointerExceptionというエラーが発生します。

Javaのデータ型には「参照型」と「プリミティブ型」の2つがあります。
String型は参照型のため値を直接持たず、値のある場所を参照するようになっています。参照先が無い状態をnullといいます。
int型やchar型等、値を直接格納する型をプリミティブ型といい、プリミティブ型にはnullがありません。

空文字

空文字は長さ0の「文字列」を意味します。

「　」や「 」は全角スペース、半角スペースであり、空文字ではありません。
Javaでは文字列をダブルクォーテーション(“”)で囲って示すので、空白文字は””と表すことができます。

null・空文字判定

hoge	Object.isNull	isEmpty	==null	if(hoge)
0	FALSE	エラー	エラー	エラー
“”	FALSE	TRUE	FALSE	エラー
FALSE	FALSE	エラー	エラー	FALSE
null	TRUE	エラー	TRUE	エラー
“0”	FALSE	FALSE	FALSE	エラー
配列	FALSE	エラー	FALSE	エラー
宣言無し	エラー	エラー	エラー	エラー
初期値無し	FALSE	エラー	FALSE	エラー

if()ではboolean型の判定のみ可能なため、boolean型であるFALSE以外ではエラーが出力されます。

NULLかどうか判定（Object.isNull()）

Objects.isNull()は引数で渡された値がnullかどうかを判定します。
nullの場合trueを返し、それ以外の場合はfalseを返します。

「com.cmps.nullEmpty」パッケージを作成し、その中に「Null」クラスを作成してください。

Objects.isNull()使用例

String var = null;

//変数varが NULLかどうかを判定します。
if (Objects.isNull(var)) {
 System.out.println("nullです。");
} else {
 System.out.println("nullではありません。");
}

isNullの引数はObject型であるため、どのような型の変数でもnull判定が行えます。

Objectsクラスを使用する場合は、インポートにimport java.util.Objects;を追加することも忘れずに行いましょう。

文字列が空かどうか判定（isEmpty）

isEmpty()メソッドは文字列が空かどうか判定するメソッドです。
対象の文字列が空文字の場合はtrueを返します。

isEmptyメソッド使用例

String str = "";
        
// 変数strが空かどうかを判定します。
if(!str.isEmpty()) {
 System.out.println("空ではありません。");
} else {
 System.out.println("空です。");
}

比較演算子のところでもありましたが「！」をつけることにより判定を反転させることができます
例：str.isEmpty() ※空の場合true !str.isEmpty() ※空でない場合true

練習問題

「com.cmps.nullEmpty」パッケージ内に、「NullQuestion」クラスを作成してください。

問1：NULLでない場合、「OK！」と表示する。

問2： 空でない場合、「値があるぞ！」と表示する。

問3：Listを作成し、そのリストが「空でない」かつ「nullでない」場合、「なにかしらのデータがあるぞ！」と表示する。

問4：配列を作成し、その配列が「空でない」かつ「nullでない」場合、「なにかしらのデータがあるぞ！」と表示する。

練習問題のヒント
問4
固定長配列の場合、「配列が空」については「要素数が0」と考えます。「配列」の単元に載っているものを使って表現できます。